(CNN) 就寝中に手元に置いた携帯電話でメールを書いて送信し、目が覚めてもそのことを覚えていない――。そんな「症状」がインターネットのツイッターなどで報告されている。
この現象について調べた正確なデータはまだ存在しないものの、証言は数年前から浮上。ツイッターには「午前5時に自分の携帯電話からメールが送信されてい た。自分では送ったことを覚えていない」「携帯電話を枕元に置いて寝るのをやめなければ」などの投稿が書き込まれている。
ツイッターや写真共有アプリのインスタグラムなどに、自分が送信した意味不明のメールの写真を投稿したユーザーもいる。ある女性は昨年、CNN系列局のWQADに、「睡眠メール障害」にかかっていると語った。
睡眠障害を専門とするオハイオ州のジム・フロプ医師は、眠った状態のまま起き上がって冷蔵庫から物を取り出してしまう人がいるのと同様に、「枕元のスマートフォンを手に取ってメールを送信する人もいるかもしれない」と話す。
睡眠中にスマートフォンのロックを解除してメールアプリを開き、文字を入力するというのは考えにくい。しかし専門家によれば、こうした行動は、完全に目が覚め切らない「半睡眠」の状態で行われるという。
「この時の脳は自動操縦のような状態にある」と説明するのは、ニューヨークのシェルビー・ハリス医師。「現代人のメール送信の頻度、それに多くの人が携帯 を枕元に置いて寝る現状を考えれば、目が覚めて(メールするのも)自動的な行動だ。夢遊病の一種と見ていいだろう」(同医師)
ただ、身の危険を伴いかねない夢遊病に対し、就寝中のメールは笑い話で済まされることも多い。
イリノイ州に住むカイラ・ポティガさん(23)は、就寝中に恋人に送ったメールが「あまりにひどかった」ため、今でも保存してあると話す。自分が就寝中にメールを送っていることに気付いたのは数年前。それほど頻繁ではないものの、相手はもっぱら恋人だという。
ポティガさんは自分のそうした行動について、「自分が見ている夢について(恋人に)話したいという思いに駆られて、まだ眠った状態のまま携帯電話に手を伸ばしてメールを送り、そのことをまったく覚えていないのだと思う」と分析する。
直近の睡眠メールは恋人に何かアドバイスしようとして、「脳が鉄のフライパンを投げたからって、体もそうとは限らない」という内容になった。
専門家によれば、睡眠中にメールする症状は若者の方が出やすいという。
仕事でメールを使っている場合、深夜に届いた携帯メールや電子メールに返信しなければならないこともある。
10代の若者の場合は、友人とのメールのやり取りが行動の一部になっていて、「そのつもりはなくても眠りながらメールしてしまうのは、起き上がってぼんやりしたまま(携帯電話を)手に取って、メールでつぶやいてしまうため」とフロプ氏は解説する。
ペンシルベニア州ビラノバ大学のエリザベス・ダウデル教授は「テクノロジーのおかげで夢遊病や寝言が違う形で表れたのだと思う。固定電話の時代は眠りながら電話に出る人がいた。今の若者はそれと同じことを経験しているにすぎない」と話す。
ただ、メールのせいで必要な睡眠が妨げられることもある。不安があれば、携帯電話の電源を切るかパスコードロックをかける、または簡単に手が届かない場所に置いておくなどの対策が必要かもしれない。
日本でも報告されてないだけで発症してる若者居るのではないでしょうか?